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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第18章 哀しい恋の歌
―そなたの危惧するように、あの者を尚宮にするのに適当な時期とはいえぬ。ただ、あの女官は使える。早くにしかるべき地位に引き上げてやり、あの者がそなたのためにもっと存分に働けるようにしてやった方が良い。
ファソンが側室だった頃、大妃はファソンを嫁としてけして認めぬと息巻いていた。大妃に憎しみのあまり、頬を打たれたことさえある。あの頃を思えば、嘘のような変わり様だ。一旦打ち解けて以来、大妃は嫁どころかファソンを実の娘のように可愛がった。
ファソンが側室だった頃、大妃はファソンを嫁としてけして認めぬと息巻いていた。大妃に憎しみのあまり、頬を打たれたことさえある。あの頃を思えば、嘘のような変わり様だ。一旦打ち解けて以来、大妃は嫁どころかファソンを実の娘のように可愛がった。