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第18章 哀しい恋の歌

　ふとカンの歩みが止まった。ファソンが訝しんで見つめていると、カンは腰をかがめ足許に群れ咲く花の中から一輪だけ摘み取った。黄色の小さな花がたくさんついている―女郎花だ。


「このような花がもう咲く季節になっていたとは」


　カンは女郎花を手折り、その花をファソンの結い上げた黒髪に挿した。



「そなたはあまり簪を挿さないのだな」