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第18章 哀しい恋の歌

「花の精は人外の者だ。人にあらざる者と人間は結ばれない宿命だ。梔子の花の精は恋する男を想い、夜毎、涙を流した。月を見上げながら、若者があの夜、吹いていた曲を思い出し自らの切ない心を託して歌詞を付けて歌った。それが〝梔花哀憐〟の始まりだと伝えられてきたんだ」



「そんなのは可哀想すぎる」


　ファソンは涙声になった。



「この国がまだ高麗と呼ばれていた時代、陽明王が殊の外この歌を愛されたというよ」