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第18章 哀しい恋の歌

　カンは言い置くと、どこか遠い眼になった。

「祖国を滅ぼした高麗の王と滅ぼされた敗戦国の姫、実際にはそなたが考えるほど甘く生易しいものではなかったと思うが」


「二人の恋が甘いものではなかったというのね？」



「まあ、そういうことだな。考えてもみろ、ファソンなら、親の敵にそうそう心を許せるか？　私が義父上や義母上を殺害した者だとして、その私に容易く身を任せられるか？」