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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第4章 突然の見合いと家出
そのためには自分は、これから、あの娘を後宮女官として、いずれは王の側室となるにふさわしい女人に育て上げようと固く心に誓った。
このキム尚宮は若い王の乳母を勤め上げた人で、王が〝仁平大君〟と呼ばれた幼少時代は保母尚宮として、王が成人後は提調尚宮(後宮女官長)の地位に昇り、後宮で重きを成していた。二十一歳の王にはいまだ正妃どころか側室もいない。そのため、後宮で最高位にあるのは王の生母、朴大妃となるが、後宮の実際的な運営に当たり、その最高責任者となるのは金尚宮だ。
このキム尚宮は若い王の乳母を勤め上げた人で、王が〝仁平大君〟と呼ばれた幼少時代は保母尚宮として、王が成人後は提調尚宮(後宮女官長)の地位に昇り、後宮で重きを成していた。二十一歳の王にはいまだ正妃どころか側室もいない。そのため、後宮で最高位にあるのは王の生母、朴大妃となるが、後宮の実際的な運営に当たり、その最高責任者となるのは金尚宮だ。