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第19章 嵐の予感

　間近で見下ろすカンの漆黒の瞳が艶めいた輝きを宿している。その蠱惑的な瞳に、思わず鼓動が速くなった。



　カンにそっと褥に横たえられるまま、ファソンは眼を閉じる。逞しい躯が覆い被さり、纏う夜着を脱がされる。ついでのように首筋に鎖骨にと身体中の感じやすい部分に熱い口付けが落とされた。




　それからほどなく中宮殿の寝所の灯りが消えた。