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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第4章 突然の見合いと家出
よもや国王の方からキム尚宮に
―たまにはファソンの顔を見たいゆえ、こちらに寄越してくれ。
内々に頼まれたキム尚宮がファソンを王の許にやる口実だとは想像だにしない。
天翔る龍が彫り込まれた重厚な両開きの扉が見えてきた。国王の寝所である。扉の前に数人の内官や尚宮、女官が控えている。その中には例の〝爺〟こと沈内官の顔もあった。
あの老人とはどうも最初の出逢いが良くないが、今やファソンは後宮で働く女官である。