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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第19章 嵐の予感
黄真伊は天下の名妓と呼ばれた実在の妓生だ。美にして賢と謳われ、殊にその詩才はつとに知られていた。
「彼女の詩は見事なものです。されど、私はその技巧よりも作品にこめられた真実に打たれるのです。恋人を待つ夜の長さを半分にして漸く逢えた短い夜に縫い合わせて夜を長くしたい。まさに、女性らしい熱い想いと愛する男を恋い慕う心が切々と伝わってくるようではありませんか。女官たちには難しい漢詩をいきなり説くよりは、このようなより身近な我が国の女性がかつて作った詩の方が親しみやすく興味を持ちやすいのではないかと思いました」
「彼女の詩は見事なものです。されど、私はその技巧よりも作品にこめられた真実に打たれるのです。恋人を待つ夜の長さを半分にして漸く逢えた短い夜に縫い合わせて夜を長くしたい。まさに、女性らしい熱い想いと愛する男を恋い慕う心が切々と伝わってくるようではありませんか。女官たちには難しい漢詩をいきなり説くよりは、このようなより身近な我が国の女性がかつて作った詩の方が親しみやすく興味を持ちやすいのではないかと思いました」