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第19章 嵐の予感

「殿下がこのような数ならぬ身を慈しんで下さるのは勿体ないことです。まだまだ中殿としても未熟ゆえ、これからも色々と学んで、国と民のために尽くして参りたいと存じます。どうか承誠君さまも色々とご指導下さいませ」



　たおやかに頭を下げたファソンに、承誠君はまたしても意味ありげなことを言った。




「私が中殿さまにお教えすることなど何一つありはしませんが、もしお教えしたいことがあるなら、もっと別のことですね」