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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第19章 嵐の予感
「あの、どうも仰せの意味が判らないのですが」
ファソンが申し訳なさげに言うのに、承誠君は首を振った。
「いえ、これは私の独り言ゆえ、どうかお気になさらずに。中殿さまとはもっと別の形で出逢いたかったと思わずにはいられません。だが、今からでも遅くはない。宝というものは、それを手にする価値のない者が持つべきではない。果たして、殿下はあなたという宝を持つだけの器を持つ男なのでしょうかね。それでは、今日はこれで失礼致します。女人とは夜を共に過ごすものだけだと考えていましたが、このように話して愉しいと思えた方は中殿さまが初めてでした」
ファソンが申し訳なさげに言うのに、承誠君は首を振った。
「いえ、これは私の独り言ゆえ、どうかお気になさらずに。中殿さまとはもっと別の形で出逢いたかったと思わずにはいられません。だが、今からでも遅くはない。宝というものは、それを手にする価値のない者が持つべきではない。果たして、殿下はあなたという宝を持つだけの器を持つ男なのでしょうかね。それでは、今日はこれで失礼致します。女人とは夜を共に過ごすものだけだと考えていましたが、このように話して愉しいと思えた方は中殿さまが初めてでした」