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第19章 嵐の予感

「殿下は中殿さまを殿下以外の男の眼には一瞬たりとも触れさせたくないようですね。確か内気で人見知りなお方とお聞きしましたが、到底、そのようにはお見受けしませんな」



　最後まで当てこすりを言い、承誠君は悠然とした足取りで廊下を歩み去っていった。





　承誠君が廊下の曲がり角を曲がってもなお、カンは宙を睨みつけていた。