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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第4章 突然の見合いと家出
「私一人がファソンに逢いたいのを我慢して、ファソンは私のことをろくに思い出しもしてくれなかったことへの罰」
「カンの話はよく判らないわ」
ファソンが肩を竦めると、カンはまた笑った。その時、ハッと自分の大切な任務を思い出す。
「そういえば、キム尚宮さまに頼まれて、薬湯を持ってきたのよ」
ファソンは寝台の側に置いた小卓を見た。鮮やかな牡丹色の風呂敷を取り去ると、湯飲みに入った薬湯と口直しの甘い菓子が載っている。