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第20章 危険な駆け引き

　生きた鶏を竹籠に入れた鶏肉屋は、その中の一匹が逃げ出して慌てて追いかけている。道の真ん中を鶏肉屋と鶏が追いかけっこをしているものだから、堪らない。美しい布を商う店の主(あるじ)は整然と並べている布を露台ごとひっくり返され、汁飯（クッパ）を作って売っている小太りの中年女は美味げな匂いを漂わせている大鍋に体当たりされた挙げ句、汁飯を台無しにされた。