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第20章 危険な駆け引き

「嬉しいねえ。長年本屋の主をしてきたが、そこまで本を愛してくれるお客はいなかった。ましてや、この国の中殿さま御用達だよ、うちの店は」


「おじさんってば」


　ガンドクの細い眼には口だけではない悦びが溢れているように見えた。


「じゃあ、一冊お借りしていくわね」




　ファソンが借り賃を払おうとすると、ガンドクは破顔した。