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第20章 危険な駆け引き

「爺や。中殿がどうしているか、確かめてくれ」



「はい」


　沈内官は素早く執務室を出ていった。老体とは思えないよう素早い身のこなしだった。


　更に幾ばくかの刻が流れた。




　沈内官からの報告を受けたカンは急ぎ、中宮殿に向かったが、当然というべきか、報告どおり、ファソンは見当たらず王妃の居室はもぬけの殻であった。