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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第24章 真実が明らかになる瞬間
子ども時代のカンを思い出し、思わず笑みを零しそうになる。県監は小さな息を吐いた。
「殿下はお小さい頃より、とても淋しがり屋であられた。私の生母は身分の低い女中ゆえ、正室腹の年嵩の異母姉上とはさほど親しくもないままきましたれど、異母姉上は気むらのある烈しいご気性の方と評判です。幼い殿下はいつも広大な宮殿でお一人でした。そのせいか、殿下は女性不信とまでいわれ、なかなか妃を迎えようともなさらず、私も心配しました」