この作品は18歳未満閲覧禁止です
国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第4章 突然の見合いと家出
「気にするな。私は愉しかったよ。そなたといると、時間の経つのも忘れるほどだ。もう少し宮殿での暮らしに慣れたら、セオクに頼んで私付きの女官にして貰おうと思っている」
ファソンはそれには返事をしなかった。後宮の人事には原則として国王も口出しはできないといわれている。王妃がいる場合は王妃が決めるべきであり、王妃不在の今は、大妃の裁量で決められるはずだ。ここで新米女官にすぎないファソンが迂闊に応えられる問題ではなかった。