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第25章 通り雨

　あれからみ月、シンと名づけられた赤児はすくすくと育ち、乳母だけでなくファソン自身の乳もよく吸っている。あれだけの難産であったにも拘わらず、ファソンの産後の肥立ちもよく、この分ではすぐに次の子を身籠もっても差し支えなしと医官に言われていた。





　シンは生後一ヶ月で世子に冊立された。朝廷一の実力者にして領議政チン・ミョンソを外祖父に持ち、時の王と王妃との間の第一子として誕生したシンは彼の父賢宗と同様、生まれながらに王位を約束されている。