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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第3章 〝本の虫〟と呼ばれる少女
「あなたは信じてないようだけど、この〝忠孝明道〟は私が読むのよ」
「そう、なのか?」
「ええ」
ファソンは迷いなく応えた。
「本当はね、私の父に頼めば、この本を手に入れることはできると思うの。でも、父は私がこんな難しい本を読むことを歓ばないのよ。女はせいぜい〝内訓〟を読めばそれで良いと信じているようなカチコチの石頭の時代遅れなのよ」
「カチコチの石頭の時代遅れ―」
青年はまた呆気に取られている。