この作品は18歳未満閲覧禁止です
国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第29章 初夜
二十歳というのは既に婚期は逃した感が否めない。凜蓮は取り立てて美しいわけでもないし、打てば響くような才知ある類でもない。要するに、可もなく不可もない平凡な娘だ。それでも、吏曺判書の息女という肩書きがあれば、結婚相手として不足があるほどではない。
なのに何故、婚期を逃すまで独り身でいたのかといえば、やはり父の野心ゆえであった。崔家にはもう、凜蓮しかいない。はっきりいえば、政治的な手駒として使えるのは凜蓮しかいなかった。