この作品は18歳未満閲覧禁止です
国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第5章 契約結婚と本物の恋
「確かに」
カンは笑って頷く。彼のお陰で、山のような洗濯物もあっという間に片付いた。美しいたくさんの色布が風に揺らめくのは一幅の絵のようでもある。
「綺麗ねえ」
ファソンはもちろん、女官のお仕着せ姿だ。濃紺の上衣と赤色のチマの上から前掛けをつけている。一つに編んだ髪は動きやすいようにくるりと丸めて纏め、これも定められた紅い髪飾りをつけている。
カンの方はこれは王の正装―天翔る龍を赤地に金糸銀糸で織りだした龍袍だ。