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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第5章 契約結婚と本物の恋
「良い香りがする。花のような匂いだ。ファソンは名前のとおり、本当に花の精なのかしもれないな」
ファソンは逞しい男の腕に囚われて、身じろぎもできない。細身で線が細そうに見えても、やはりこうして抱きしめられてみれば、その体軀はファソンとは違い、大人の男のものだ。
「カン。もう良いでしょ、良い加減に放して」
ファソンが身を捩ると、彼はすぐに自由にしてくれた。解放された刹那、ファソンは無意識に熱くなった頬を手で押さえた。