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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第29章 初夜
好きだから、惚れているからこそ、どうしても彼女と視線を合わせられなかった。優しい科白を囁いてやることもできなかった。凜蓮は最早、自分の知る凜蓮ではない。いや、百歩譲って昔のままの彼女だったとしても、後宮にいる間の彼女をサスは知らない。
凜蓮が国王とどのような会話を交わし、国王に抱かれて、どのような甘い声を上げたのか。自分はなに一つ知らないのだ。この世に自分の知らない凜蓮を知っている男がいると考えただけで、サスは許せなかった。