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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第5章 契約結婚と本物の恋
「中殿選びが終わるまでで良いから、私の側室になってくれ。母上には、はっきりと言うつもりだ。惚れた女ができたから、その者を後宮に迎えたいと。自分で選んだ娘以外に娶るつもりはないと告げる」
ファソンは泣きそうになった。
―私が彼の側にいられるのは、中殿さまの選考試験が終わるまでなのね。
それでも。ファソンは、どうしても彼の虫の良すぎる提案を断れなかった。
たとえ偽りの妻でも、短い間だけでも、好きな男の傍に居たい。