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第33章 血まみれの剣と花

　　血まみれの剣と花





　その日、見上げた漢陽（ハニャン）の空は薄蒼く、いかにも早春らしい透明な空が涯（はて）なく澄み渡っていた。






　春香はいつものように夜明けとほぼ同時に起き出し、良人の夢龍のために心を込めた朝食を整えた。上流になればなるほど両班家では普通、夫人は自ら厨房に立ったりしないものだが、春香はいつも厨房に立ち、数人いる下女たちに混じって急がしく立ち働いた。