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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第5章 契約結婚と本物の恋
カンの鼓動が重ねた身体越しに伝わってきて、同じように高まった我が身の鼓動もファソンの耳に異様に大きく響いた。二つの鼓動は烈しく高らかに重なり合っている。
カンの手がそろりと伸び、ファソンの艶やかな髪にふれた。
「この簪、初夜に付けてきてくれたんだ。セオクから君があの簪を付けたいと言っていると知らされた時、私はとても嬉しかったんだ。私と同じように、ファソンもこの夜を特別なものだと思ってくれていると期待をしてしまった」