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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第5章 契約結婚と本物の恋
カンの優しい言葉に、ファソンはまだ涙の雫を宿した瞳でカンを見上げた。カンが眩しげに眼を細めたのは夕陽のせいだけではないのを、恐らくファソンは知ることないだろう。
「そんなに哀しそうな表情をするな。そなたが泣くと、私まで哀しくなる」
カンは笑い、人差し指でファソンの涙を拭った。ファソンははにかんだように微笑む。
泣くなと言われて、泣くまいとしているのが判る。人眼もはばからず、抱きしめたいほど可愛いと、カンは頬を緩めた。
「そんなに哀しそうな表情をするな。そなたが泣くと、私まで哀しくなる」
カンは笑い、人差し指でファソンの涙を拭った。ファソンははにかんだように微笑む。
泣くなと言われて、泣くまいとしているのが判る。人眼もはばからず、抱きしめたいほど可愛いと、カンは頬を緩めた。