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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第9章 水仙の妖精
 房子が恐る恐る言うのに、夢龍が口を開きかけた。

「私の想いのたけを―」

 そこまで言い、夢龍が口ごもった。

「私の想いのたけを」



 漸く観衆も何かおかしいと感じ始めたようで、ざわめきが起こった。沈黙が長引くにつれ、客たちの間にも動揺が走る。皆、隣の者と顔を見合わせ、ひそひそと囁き交わし始めた。
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