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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第9章 水仙の妖精
「俺、話し始めるのも遅くて、やっと五歳くらいで喋れるようになったんだ。だから、ガキの時分は皆から余計に虐められたんだ」 




 刹那、ファソンの耳奥に町中でソンジュと交わした会話が甦る。


―良いんですよ。これしきの怪我、昔に比べりゃマシだから。




 あの科白には彼の悲惨な生い立ちがあってのことだったに違いない。
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