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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第9章 水仙の妖精
ソンジュのことだから、努力をしたはずだ。なのに、いまだに一座の者たちは彼を次期座長として認めてはいないという。何故なのか?
ファソンはその理由を知りたいと願った。
と、ソンジュがいきなり両手で顔を覆った。
「駄目なんだ、俺、どうしても科白が憶えられないんだよ。憶えたつもりで、実際、一人だとすらすらと台本が浮かんでくるのに、別の人間がいると緊張のせいか、頭が真っ白になって憶えたはずの科白が一つも出てこなくなってしまう」