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第9章 水仙の妖精

　トクチュは絶望し、眼前の川を見つめた。


川面には満月が煌々と輝いている。夜空を見上げれば彼の気を知らぬげに、輝く月。川面にも、もう一つの月が浮かぶ。


　トクチュは川に身を投げた。


―あなたは、この水面に映じた月のように私には遠い女だ。


　そのひと言を残して。


「うっく、ひっく」


　ファソンが声を上げて泣き出したので、ソンジュは大いに狼狽えた。