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第9章 水仙の妖精

　そのまま父親の許で過ごしていれば、もしや仕官の道も拓けたかもしれない。恐らくは母親が使用人として扱われ、自分だけが若さま暮らしをするのに耐えかねてのことだろうと想像はつく。旅芝居の座長とはいえ、両班の血筋を引く男がソンジュの養父だという。






「お父さまは学識豊かなだけではなくて、小説家としての才能もあるんじゃないかしら」