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第10章 秘め事

　ファソンは母の室から出て、長らく廊下に佇んでいた。庭に面した廊下からは冬の星空がよく見渡せる。手を伸ばせば触れそうなほど近くに、燦めく星々が瞬いている。




　漆黒の布に無数の光り輝く玉石を縫い止めたかのような星たちを眺めている中に、ふとソンジュのあの言葉がまた聞こえたような気がした。






―俺のふた親はよほど俺が厄介だったんだろうな。だから、まだ生まれたばかりだった俺を棄てたんだ。