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第10章 秘め事

「いつも頭が真っ白になって科白が出なくなるときって、どういう感じなの？」





「うーん。何て言うのかな。何か昔の酷い想い出ばかり思い出してしまうんだ。例えば、ミンチュの櫛を盗んだと泥棒扱いされたときとか、泥棒、泥棒って皆に殴られたときのこととか。皆の嘲笑う顔や、嗤い声が次々に途切れることなく浮かんできて、耳にわんわん鳴り響く。そうなるともう、科白どころじゃなくて、舞台に立っていられないくらいになっちまって」