パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第10章 秘め事

　彼女はその科白を母親に伝えたのだそうだ。すると、彼女の母―恐らく貞淑で優しい両班の奥方なのだろう―は言ったという。




―恐らく、両親は赤児を育てることができなかったのではないかしら。単に経済的な事情、想像をたくましくすれば身分違いの恋でできた子どもなら、到底育てるわけにはゆかなかったでしょうしね。自分たちといれば、子がより不幸になると思ったからこそ、考え得る最善の道を選んだ。私はそう思うのだけれど。