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第11章 哀しい誤解と王の嫉妬

「儂は元々、中殿さまが王室に嫁ぐのは反対だったのですよ」

　苦虫を噛んだような父の顔を見て、ファソンは絶句した。

「そう―だったのですか」



　今になって初めて知る父の苦衷であった。特に中殿になることについて、父の気持ちを訊ねたことはない。何故なら、両班であれば己が娘が国王の寵愛を受けて王子の生母になるのは夢のまた夢であったからだ。