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第12章 この美しい月影を、あなたと

　我が事のように憤る。折角あんなに練習したのに、完璧にできていたのに。

　ファソンは水仙の花を手にすると、意を決して人波をかき分けた。


「ちょっと、ごめんなさい。通して下さい」


　少しずつ根気よく人を押しのけて何とか最前列まで出てこられた。彼女は水仙の花を高々と持ち上げた。



　何も言わず、ただ一輪の花を掲げ勢いよく振った。