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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第4章 突然の見合いと家出
ファソンが屋敷を抜け出したのは、その翌朝早々であった。これまでも度々、屋敷を抜け出したという前科があるものの、その都度、側仕えのチェジンの協力があった。が、今回ばかりはチェジンも母によくよく言い含められていたと見え、
―明日は絶対に絶対に駄目ですよ、お嬢さま。
と、念を押してきた。むろん、チェジンに協力して貰うつもりはなかった。むしろ、この忠実で人の好い乳姉妹を自分の家出にまで巻き込みだけはすまいと思っていた。