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第12章 この美しい月影を、あなたと

　なのに、カンときたら、もう二人の間にあった夜のことなど忘れ果てたかのように、いつもどおりに飄々としている。


―何か私だけがあの夜を意識しているみたい。




　それはそうだろう。中殿とはいえ、所詮ファソンも後宮の女にすぎない。王であるカンにとっては自由にできる後宮の女を気まぐれに抱いた過ぎない。或いは、あの夜の彼自身の言葉を借りれば、あの一夜は王が罪人に与える〝罰〟でしかなかったのだから。