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色絵
第7章 満開
ギリシャ神話の愛(エロス)と美の女神、象徴の通り開かれた貝殻の片割れの中心で秘部を隠した裸体を晒すヴィーナス。
真珠のように貝から産まれ出たのだろうか。彼女が大事な部分を隠しているのは、見ようとする者がいるからなのか?
芍薬は背を向けて、男の反応を窺いながら、着物の襟を繰る。
2枚目の着物の落とし方から、着替えでなく誘っていることがはっきりする。
続く牡丹で座り姿で男を誘い、2枚目で椅子に括られながらも男に拓かれる悦びを味わっている。
歩ける百合はヴィーナスのごとく、美とエロスを振り撒き、どうしたかったのか…
「随分と集中してましたね。おかげで下絵が完成しましたよ。
休憩しましょう。」
先生がテーブルを用意されてワタシに振り向いた。
ああ、百合がしたい事、ワタシのしたい事がはっきりとした。
僕は椅子の背もたれに手を置き、貴女に休憩を促した。
「先生…」
貴女の声に顔を上げる。
貴女は右手で持っていた着物をそっと離す。
茂みが露になり一糸纏わぬ姿の貴女が僕に近付いてきた。
「ワタシの全てを見てください。百合は歩けるんですよ?
もし嫌なら止まるよう命じて下さい。」