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honey chocolate
第1章 はじまりの紅
ついていけない展開に朦朧としながらも、ベットに腰掛ける彼の背中を見つめた。
カチッ
「・・・・・・ふー・・・・・・」
タバコに火をつけ息を吐く彼の揺らめく紫煙の中、知咲は溶けるように眠った。
朝、起きるともうそこに城山の姿は無かった。
「なんだったの・・・」
恥ずかしさと情けなさで目にじわりと涙が浮かぶ。
疲れていたんだ。
あれは一夜限りの気の迷いだったんだ。
遊ばれて・・・・・・
止めよう。
あたしも流されてついていったんだ。
遊ばれるだなんて、人のせいにしちゃだめだ。
彼女はそんな考えを駆け巡らせながら身支度を整え、部屋を後にした。
彼女の服のポケットに城山が残した携帯の番号とSNSのIDが残してあることに、
彼女はまだ気付いていない。