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隠密の華
第14章 十三
衝撃が強すぎて、何を話せば良いのか分からない。
白夜は胡蝶を目の前で失い、その記憶をずっと忘れていたと……?
「いつ記憶が戻ったのかは分からない。だが、都、はっきり言おう。今の白夜はお前を愛している。その証拠に、白夜は桐につけられた痕を見て許せなかったのだ。お前がすべき事は一つだ」
「私がすべき事……?」
設樂様は何を言っておられるのだろう。
私にすべき事はもう何もない。
正直、白夜から偽物だと言われた時、心底嬉しかった。
胡蝶と偽る日々が終わるのだと。
これで私は自由になれるのだと。
一番に桐の顔が浮かんだ。