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隠密の華
第14章 十三
「胡蝶……ではない。都」
「はい……」
「初めは胡蝶と重ねていたが、俺は今ではお前のことが……」
どんどん早まっていく鼓動。
こんなに愛しそうな目で見つめられれば、誰しも冷静ではいられなくなる。
それなのに白夜は私から手を離すどころか、次第と私の左頬に触れたまま私の顔へ顔を寄せてくる。
「都、愛している」
「っ……」
避けるつもりはなかったのだが、私は腰ががくっと砕けたように前へ倒れ込んでしまった。
それを受け止めるように、白夜が私の体を両手で包み込む。