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隠密の華
第17章 エピローグ
――二日後。
私は桐の待つ祖国の村へ戻り、密命のことを桐に話した。
「……はあ!?妾になれって、お前それ引き受けるのかよ!」
「ああ……」
「ああじゃねーんだよ!今すぐ断れ!」
「しかし……一度引き受けた密命を断れない。それに私は隠密だ」
「隠密辞めたんじゃねーのかよ!」
借り家で酷く不機嫌そうに怒鳴る桐は、冷静に話す私を冷たい目で睨み付ける。
「この淫乱。結局は男から抱かれるのが好きなんだな」
そして不貞腐れたように私へ背を向けると、借り家から出ていこうとした。