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**情画**
第6章 夜明け
「そんなことないわよね。」
「でもみんなが言うんだ。
上手すぎる。描けなくて宿題になったから、ママが描いたんだって…」
「手伝ってないのはママが知ってるよ。先生はなんて?」
「先生も、本当に僕が1人で描いたのかって聞いてきた。」
「何て答えたの?」
「僕が描いたって…」
「それで先生は?」
「ママに手伝ってもらってないか?って、みんなと同じこと聞いてきたんだ。」
「そうか、実の絵が上手すぎたんだよ。」
「でも僕1人で描いたもん。」
「じゃあね、実が『色が足りない』って言ったことを話してみたら?」
「え?」
「色が足りないっていったら、ママが重ねて塗ることを教えたって話してみたら?」
「そしたら変わるの?」
「うん、ママの朝顔の絵を持っていったらどうかな?」
「何で?」
「ママが重ね塗りをして見せてくれたって話したらどうだろう。」
「そしたら変わるの?」
「じゃあ、ママは絵の先生に絵を教わったことがあって、だから実もママから教わったけど、手伝ったり代わりに描いたりはしてないって言ったらどうかな?」
「うん、わかった言ってみるよ。
ママ、絵を教えてくれる人っているんだ。」
「そうよ。先生は教えるより自分が描くほうが好きな人だったけど、」