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**情画**
第1章 再開

そんな不安さえ募る。

お屋敷の扉も変わらないまま、戸惑いながらも重厚な扉のノブに手をかけた。


カラン、カラン…

ああ、この音も変わらない。

ドアをドキドキしながら開けたのに、そこには誰も出迎えに来ていなかった。

ああ、
ホッとしながらも落胆する。

「今、手が離せなくてね。
時間が許すなら、いつものように支度してアトリエに来てください。」

先生の声を直接聞いただけで、震えてしまい涙が出る。

「お邪魔します。」

ワタシは衣装部屋に進んだ。

パタン…

全く変わらず衣紋掛けに用意された着物。

やはり、ワタシだけが歳を取っているのではないか…

コンコン

「いずみさん、着物は父が毎日用意して、古くなったものは新調してますから、気にせず袖を通して大丈夫ですよ。」

廊下から、沙絵さんに声をかけられた。

「あ、は、はい。」

大人になった沙絵さんの声…
やはり、ずっと一緒に居たのよね。

当たり前のことで、先生から逃げ出したのはワタシなのに、嫉妬してしまう自分がいた。

『毎日用意して』
先生は、毎日ワタシを待ってくださっていたということ…

先生を忘れたことはない。

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