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幸せの欠片
第7章 夫の企て
 バスルームに戻ると、アリアがシャワーで体を綺麗に洗ってくれた。

 着て来た服に着替えようと思ったところへ、また肩からガウンを掛けられた。驚いてアリアを見ると、軽くウィンクをしてから言った。

「昨日の約束、憶えていますか?」

 麻衣は、バラの香りと共に、甘い囁きを思い出した。

「ここには、二人で楽しむためのお部屋もありますよ」

 そう言うと、先ほどの檻のような部屋とは反対方向に向かった。

 その部屋には天蓋にレースの下がったベッドがあり、淡いサーモンピンクを基調にしたインテリアで統一されていた。

 映画のセットのように、ベッドとソファーの上にはクッションがいくつも置かれ、サイドテーブルには花、部屋の隅には大きな花瓶、壁には絵画や鏡が掛けられている。

 麻衣は、暫くの間、それらを眺めて楽しんでいたが、アリアがガウンを取って、肩にキスをした時、更に夢見心地になった。

 アリアの指は、とても器用に動く。

 麻衣の両の乳房を下から持ち上げると、長い指で乳首を、まるで唇で吸い付くように愛撫した。

「はぁ……」

 それだけで、散々アナルをいたぶられた後の体は、とろけそうになっていた。

「麻衣さん、可愛いですよ」

 そう言いながら、アリアは麻衣の唇にキスをした。

 それから繰り返し、首筋や肩に舌を這わせ、時折、小さく噛んだ。

 その度に、麻衣は仰け反って、愛液のあふれ出るのを感じた。

「どんどん感じやすくなっていませんか?」

「えぇ。そんな気がします」

「それでいいんですよ。それが私たちの役割なのですもの」


 おしゃべりをしながらも、アリアは乳首を転がす手を休めない。


「でも、お仕事という意味だけでなく、私は麻衣さんが大好きなんです」

「そんな・・・・・・、私は目立たない、ただのつまらない人ですよ」

「麻衣さんの骨は細くて、でも、そこそこ肉付きがあって、私には、もう堪らないんです」


 彫りの深いエキゾチックな顔立ちの上、麻衣の目から見ても魅力的なプロポーションをしたアリアに言われると、お世辞としか思えなかったが、アリアが簡単に嘘を吐くような人間には見えなかった。


「それから、我慢して感じている顔がいいんです。きっとご主人も同じだと思うな・・・・・・」


 
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