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第53章 聖夜と舞の夜

聖夜は、こんなに舞を愛するとは

思っていなかった。

最初は、彩香ちゃんの

身代わりのつもりだった。

初めて会った時は、

彩香ちゃんが二人いると思ったものだ。

彩香ちゃんが欲しくて仕方なかった。

欲しくて、欲しくて仕方なかったけれど、

自分に興味が全くなくて、

真を一途に愛している事が、

誰の目からも明らかだったから、

自分の出る幕は無いと

諦めなくては仕方がないと

思ってはいたけれど

なかなか諦めることができずにいた。

真の親友としての立場を使って

少しでもそばにいられればいいかと思っていた。

もし、何か真と揉めるようなことがあれば、

彩香ちゃんの心の隙間に

入っていけるかも知れないと期待していた。

真と別れることになったら、

自分が守ると決めていた。