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第35章 さようなら真

母親から受けた仕打ち、

そして、信じていた遼太から受けた仕打ち、

その二つの仕打ちで、自分はダメだと、

ネガティブになっていた。

自分の息子が彩香ちゃんの心に

大きな傷をつけた事を、

申し訳ないと、ずっと思っていた。

高校生の時に、父親を亡くし、

母親に捨てられた。

本当なら、引き取って一緒に暮らしたかった。

遼太が、彩香ちゃんに

謝る事ができなかったから、

圭子の思いは叶わなかった。

あの時守ってあげられなかったけど、

今なら、落ち着くまで、

真さんの所に戻る気持ちになれるように、

手助けができるんじゃないかと思っていた。

圭子「彩香ちゃん、おばさんの家に

一緒に帰りましょう。

今は、混乱していて、これからの事を

ちゃんと判断できる

精神状態じゃないと思うのね？

ここに居ては、考えられないと

おばさんも思うわ。」