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第6章 マリアの日記・・・

マリアの日記は

日記であって、日記でない。

記録・・・

言わば〃証拠〃みたいな形式で
綴られていた。



それこそネットで見た
弁護士のアドバイスなんかで

記録をつけておくと良いなんて
言うのをみたから

おそらく
そう言った意味合いで
始めたのではないか、と
俺は思う。




書き方を見てもそうだ。
一見、愚痴なんかを書いた
日記にも見えるが

暴力、暴言…
何をされたか、言われたか
どう思ったか…などと

とくに手を上げられた事なんかは
時間まで細かに書かれていた。


これを書き始めた時から
別れとかかなり意識してたのか…。


長い年月だ。

今より
まだうんと若かったマリアが
犠牲にしたものは
戻らない。



苦しくても

絶望してても

ちゃんと自分で自分を
守ろうとしてたんだな。







守ってくれるはずの旦那が
どうしてマリアの味方じゃないんだよ…。





憤りを隠せない。



一人で悩んで
苦しんでいた。



遠くはなれている両親に
ただ話せば心配をかける。

なんとか自分の力で
やり直そうと…

〃自由〃になろうと

孤独に耐え
頑張っていたマリアの記録。




悩みを誰にも打ち明けられないマリアが

唯一、本音で

なんでも吐き出せる場所。

そして

そうすることによって

いつか来るその日のために

自分を守る材料となる物証。



分厚い手帳は

マリアが唯一

自分で自分を守る手段だったんだ。